息子が4歳位の時だったと思います
私は休日出勤をしなくてはならなくなりました。
息子は、私が休みで遊んでもらのを楽しみにしていたようなんですが、仕事で出かけるとわかると、急に機嫌が悪くなり妻に駄々をこねていました。しかし直ぐに私の所に来て一緒に会社に行くと言い出しました。
私はどうしようかと思いましたが、当時は休日出勤する事は良くあり、休みに一緒に遊んであげることが少なかったですし、会社には私の他に2人しか出勤しないので邪魔にならないから良いかと思い連れていく事にしました。
妻は
「お父さんは仕事なんだから駄目だよ」
と最初言っていたのですが、息子は”行く”の一点張りなものですから仕方がなく了承しました。しかし、妻は心配のようでした。
私も行く前に
「仕事で行くんだから遊んではやれないよ」
と言い聞かせていざ出勤です。
会社は車で40分位の場所にあります。
車内での息子は満面の笑みで楽しそうです。遊園地に行くわけでもないのに・・・
そういう私も、いつもの出勤よりも楽しい気分でした。
会社に到着して、早速私は仕事に取り掛かりました。
事務所は、子供が遊ぶには充分のスぺ-スはありましたが、遊ぶ相手もいません。しかし息子は、初めて見る私の仕事場を楽しそうに一つ一つ確認するように眺めていました。
ジュ-スを買って渡し、持ってきたおもちゃで遊んでいるようにと言った記憶があります。
私は自分の仕事を早く片付けようと作業を進めながら、息子の様子を伺っていると、何が楽しいのか一人で楽しそうに遊んでいます。
その時思いましたね~
”あ~これが親なのかな~”
”連れて来て良かったな~ 俺と一緒にいる事が子供にとってこんなに嬉しいことなんだな~”
と愛おしいくなったのを覚えています。
仕事が終わり、会社を出てコンビニにより息子に
「良い子にしていたから好きなものを一つ買ってあげる」
というと、15分程選ぶのに時間を費やした後に、商品が何だったかはっきり覚えていませんが、何かのキャラクタ-缶に色々なものが詰まった5,000円位の商品でした。
それを手にした息子は
「これ買ってもいい?」
と聞いてきたので、直ぐに了承しました。
息子は商品を手にレジヘ
そしてスキャン
「ありがとうございます、5,000円になります」
と店員さんがいうと、息子の顔色は変わり私の顔を見て
「ごめんなさい」
と言ったのです。
息子は、5,000円の商品が高いという事がわかったのです。高いものを買ってしまった!!と思ったのでしょう。私はその時はビックリしたと同時に、なんだか泣けてきました。
「今日は良い子にしていたから特別にいいんだよ、買ってあげるよ!!」
と言うと息子の顔は笑顔に戻りました。
当然ですが、いつも好きなものを買ってあげる事はしませんでしたし、そんな余裕もありませんでしたしね。
いや~、あの時の息子の言葉には胸を締め付けれましたし、あの時の申し訳なそうな顔は忘れられません。今も書きながらあの時の記憶が甦ってきました。年齢を重ねてきて涙腺が少し弱くなってきたせいか、思い出すと泣けてきます。
こんな事があり帰宅。妻は心配だったのでしょうね。玄関に入った息子を抱きしめていました。妻も息子も笑顔・笑顔・笑顔です。
息子は、買ってもらったキャラクタ-缶を嬉しそうに妻に見せていました。
私は、コンビニでの出来事を妻に話すと、涙もろい妻は涙を少し流しながら息子に頬を摺り寄せながら又抱きしめてました。
私の妻であり、子供たちの母親は幸せそうな顔をしていたような気がします・・・。