娘が5歳位の時だったと思います。
娘が、明日の日曜日に買い物に連れて行って欲しいと言ってきました。
「何を買うの」
と聞くと、小さな”まねきねこ”の置物が欲しいというのです。
「可愛いの?飾るの?」
と聞くと
「お母さんに買ってあげるの」
というのです。
そうれを聞くと嫌とは言えないですね~。
翌日妻は午前中パ-ト、息子は友達と遊ぶという事だったので
「朝ご飯を食べて、お母さんと兄ちゃんが出かけたら出発するよ!お母さんには内緒ね。」
と約束をして就寝。
翌日、朝食を済ませ二人を見送り娘と二人で出発!
店に入り早速探すと娘は直ぐに見つけ
「これ!買う!」
と走ってきました。値段は400円。
私がお金を払おうとすると、娘が自分で払うというのです。
お年玉の中から持ってきたようで、自分で買って母親に渡さないと意味がないと思ったのでしょうね。私が買ってあげると言ったのですが頑なに断られた気がします。
父親としても嬉しい気持ちでしたし、娘も嬉しそうでしたので、昼食は外食をしようと思い娘に提案しました。
だた店の近くには、ラ-メン屋くらいしかなかったので問答無用でラ-メン屋です。娘もラ-メンは好きでしたしね。
私は味噌ラ-メン、娘にはご褒美のつもりでチャ-シュ-麺を頼みました。
ラ-メンが運ばれてきて、
「さあ食べよう、いただきます!!」
と言った瞬間
「〇〇チャ-シュ-好きじゃない」
あっらっ~ですよ。
父親としてちょっと格好よく決めたつもりが・・・
当時私は、娘の嫌いのものも知らなかったんだと、ちょっと落ち込みましたね。
一緒に居てあげる時間が少なかったんだと本当反省しました。
そう言われたものですから、チャ-シュ-は全て私の器に移動して完食。
ほどなく店を出て帰宅です。
妻は、パートが終わり帰宅していたのですが、
「二人で何処に行ってたの?」
と聞いてきたのとほぼ同時に
「はい!お母さん!」
と先程買った”まねきねこ”の置物を手渡しました。
袋を開けた涙腺の弱い妻は、
「あら~!!」と声をあげた後
号泣でです、その後は言葉になっていませんでした。
どうやら妻が、何かで ”まねきねこ” を見て
「可愛いね~」
と言っていたらしいのです。
娘はそれをしっかり聞いていたんですね~。健気ですよね。
妻が落ち着いてから、チャ-シュ-の話しをしたら
「あの子あまりすきじゃないね」
とバッサリ!!
落ち込みながらも私は娘の貯金箱に、ご褒美とチャ-シュ-のお詫びを兼ねて400円を入れておきました。
因みに、娘は今社会人ですがチャ-シュ-は大好きです。
当時の事を聞くと、何となく覚えているようですが何で嫌いだったかは定かではないようです。
思い出すと笑えます・・・