無駄という時間の居心地のよさ

かれこれ40数年前の事だと思います。

我が家に電話がつきました。

私が小学2・3年生の頃です。

当時の電話は黒い電話なんですが、ダイヤルはついておらず電話機の横にハンドルがついているんです。

手動の鉛筆削りのハンドルのようなものです。

「鉛筆削りなんて見た事がない!」なんて人も居ますよね。

電話をかける時にはハンドルをグルグル回すと電話交換手(女性)に繋がるんです。

そうすると

「交換台です(多分こんな感じで言っていたと思います)何番にお繋ぎしますか?」

と聞いてくるんです。

かけた方は

「〇〇番お願いします」

と言います。

そうすると、交換手が相手の回線に線を差し込む(確か)と繋がるんです。

繋がると

「どうぞお話し下さい」

と言われたような記憶があります。

その後、相手との会話が終了して電話を切ります。

そうすると暫くして電話が鳴ります。

電話に出ると交換手から

「只今の通話〇〇円です」

と通話料金の連絡がきます。

これが一連の流れです。

もしかしたら、私が住んでいた田舎町だけの事ですかね(;^_^A

携帯電話が主流の今、信じられない話しですよね。

小学生の私は友達に電話する時に

「〇〇さんですが?〇〇(私)ですけど〇〇君はいますか?」

と言うだけでも緊張するのに、その前に

「〇〇番お願いします」

と言わなくてはいけないんです、それも知らない交換手の女性に。

綺麗な声なんです、恥ずかしかったですね~(笑)

しかし子供の私にとっては人と話す良い訓練になったのかも知れません。

因みにこの電話は1年位の使用で、ダイヤル式の黒電話に変わりました。

これでも若い方には「何だそれは!?」ですよね(笑)

それから10年程経ってから妻と付き合い始めて電話をする時も緊張しましたね~。

「〇〇さんのお宅ですか?〇〇ですけども〇〇さんはいらっしゃいますか?」

なんて言わなくてはならないんですから。

今は、こんな事言わなくても良いですよね。

「もしもし 俺!私!」でOKですよね。

話したい相手に直ぐに電話をかけられる。

何時でも、何処に居ても。

便利な世の中ですね。

しかし、便利というメリットがあればデメリットもあります。

固定電話だと『居留守』なんていうのが使えたのですが、携帯電話ではどうでしょう。

何回かの着信は、様々な事を言って『ごまかす』事はできるでしょうが最終的には電話にでるか、折り返し電話をする事になります。

これって話したくない相手だと『ストレス』です。

恋人同士で喧嘩なんかしていて『今、話したくない』なんて思っている時は着信がある事だけで『ストレス』を感じるのではないでしょうか。

当然ですが昔も『ストレス』はありましたが、便利になった現代の方が『ストレス』を感じやすいような気がします。

恋人同士の喧嘩の場合は、冷却時間があった方が良い場合もあるかも? しれません・・・。

今は昔と比べると、あらゆる事、あらゆる物が便利になっています。

しかしその便利な事がストレスに変わっている事があるような気がします。

便利な事を上手く使いながら、多少時間をかけても良いような事は焦らず『じっくり』やるのも良いかなと最近思っています。

無駄に思える時間を費やしてもでも。

そんな無駄な時間が後から考えると生きてくる事もあるような気がします・・・。

無駄という時間の居心地のよさ」への6件のフィードバック

コメントを残す