これに決めて良かった

23年程前の事

下の娘が小学校入学を期に妻がパートにでる事にした。

職場はというと、自宅から5分程のコンビニです。

家から近い事と、娘が学校から帰ってくる頃には仕事を終えらるシフトで働く事が可能だったので、このパ-トに決めた。

しかし実際に働くと、シフトに入っている学生が急に出勤できなくなったり、商品の補充・棚替え・クレ-ムなんかが発生すると、シフト通りにならずに予定通り家へ帰れない事がでてきた。

その話しを聞いた私は娘に

「学校から帰ってきた頃にお父さん電話するからね」

と話した。

翌日、娘が学校から帰っているであろう時間に携帯電話から家に電話をした。

しかし電話にでない。

15分・30分・45分・1時間と電話してもでない。
(もっと電話したかもしれません(笑))

少し不安になりながら又電話をした。

すると

「はい〇〇です」

電話にでたのは妻だった。

少し前に帰ってきたらしい。

妻に何度か電話をしたのだが、娘が電話にでないから心配していた事を説明すると

知らない人からの電話だと嫌だから電話にでなかったという事だった。

「そういう事か~防犯対策としても娘の行動は正解だな、いくら田舎町でも・・・ 」と思いながら電話を切った。

電話を切ってから少し考えた私は、会社帰りに電気店へ行き『ナンバ-ディスプレイ』の電話機を購入した。

丁度この頃に『ナンバ-ディスプレイ』サービスが開始したのです。

今は普通の事ですが、昔は電話にでるまで誰から電話がきたかなんて判らなかったんですよね。

今は電話番号が登録された相手なら名前がでますから直ぐに判る、便利な世の中です。

当時としては画期的なサ-ビスの開始でした。

私は購入した電話機を持って急いで帰宅。

妻と娘に説明しながら電話機を設置。

設置した電話機の少し上の壁に、私の携帯電話番号を書いた紙を貼り

「この電話番号はお父さんだから電話にでるんだよ」

と娘に言うと、はにかむように笑ってうなずいた。

翌日の午後、私は自宅へ電話をした。

一回の呼び出し音で直ぐに娘がでた

「お父さん!?」

と弾んだ声の娘。

続けて今日の学校での出来事を話し始めた。

私は頷きながら話が終わるまで聞き続けた後

「家に帰ったらもう一度教えてね、もうすぐお母さんが帰ってくるから留守番お願いね」

と言って電話を切った。

この時の電話は娘以上に私が楽しかったのかもしれません。

しかし親として反省をしました。

最初に電話をした時には「何で電話にでない?」と

不安とイライラがありましたが、娘の気持ちを理解していなかった。

娘は電話のベルの音が怖かったんでしょう。

娘の気持ちを理解していない親でした。

子育ては大人目線だけではいけない、子供目線で考えなくてはならない。

子供に教わりながら子育てをしていましたね・・・。