決断

仕事中にラ-メン屋の前を通ったら

「あ~ラーメン食いたいな~」

と車の中で一人呟いていた。

そんな事を思っていたら自分が中学生の頃を思い出した。

もうかなり昔の事で40年と少し前になる。

何故か最近、昔の事を思い出す。

ある晴天の日曜日。

「旨いラーメンが食べたい!」

今も昔も同じ事を思っている(笑)

私は田舎町に住んでいて、定食屋が2軒程あったがラーメンが旨いとは聞いた事がなかった。

もっとも旨いと言われるラーメン屋は今のように多くはなかった。

そんな時代だったが「札幌へ行けば旨いラーメン屋がある!」と信じていた私は自転車で札幌へ行く事を決断した。

朝刊の新聞配達をしていた私は親に頼まなくてもお金は持っていた。

今は何かあれば妻に「〇〇買うからお金頂戴」と頼まなくてはいけない。

頼むと「いくら?」と当たりですが聞かれる。

当時はそんな事をしなくても良かった。

今よりも自由になるお金を持っていた(笑)

決して今に不満を持っている訳ではない。

話しのネタです(笑)

話しは戻るが直ぐに準備にとりかかった。

何故か鮮明に覚えているのだが

現金は3,000円 プ-マのジャ-ジ上下を着て野球帽を被りタオルを一枚を首にかけて颯爽とスタ-トした?多分。

6月頃だったような記憶がある。

自転車の仕様は松山千春さんの『MY自転車』の歌詞にもある5段変速。

当時はこれが最新式の自転車だった。

今は10段?20段? 一杯変速がついているようですが・・・

これに乗り約30kmの道程を自転車を漕いで札幌へ向かったのですが、何処のラーメン屋へ行くかを決めて出発した訳ではないので、いざ札幌の街中に入ると、どの店にしようか迷ってしまった。

そんな中、あるラーメン屋の前を通ると感じの良さそうな店主と思われる男性を見た。

「よし!ここにしよう」と決め、自転車を停めて店に入った。

店に入ると「いらっしゃ!」と私の直感通りの声。

感じが良かった。

中学生だった私の緊張をほぐしてくれた。

その後、直ぐに味噌ラーメンを注文した。

少し経ってラーメンが運ばれてきた。

ス-プを啜り麺を食べた。

旨い!!やっぱり札幌のラーメンは違う!来て良かった!と思った。

多分だが自転車で一人札幌のラーメン屋へ行き、自分のお金で食べたという事が旨さを引き立てたのだろうと思う。

でも旨かった。

これだけの記憶があるにもかかわらず店の名前は全く憶えていない・・・。