我が家の豪快伝説

5月9日の朝

「お母さんに何プレゼントする?」

と妻が言ってきた。

この言葉で初めて、今日は母の日なんだという事を理解した私。

妻よありがとう。

母の日か~と思った私は、何故か長男が産まれた時の事を思い出した。

33年前に結婚をして翌年に長男が産まれた。

出産予定日は8月中旬だった。

妻は妊娠すると、つわりが酷く4~5ヶ月位までは辛そうだった。

「ご飯の炊き上がる匂いがだめ~」

と言っていた。

正社員で仕事をしていた妻は仕事を休んで点滴を受けたりしていたのですが、日に日に顔が痩せていくので心配でした。

そんな妻も5ヶ月位を過ぎると体調は良くなり食欲旺盛。

妻に食べたいものを聞いて買い物へ行ったり、足裏のマッサ-ジをしてあげたような記憶があります。

食欲旺盛になった妻の体重はどんどん増えていき、産婦人科に検診に行くと医師から

「これ以上の体重増は駄目だな~」

と言われたようです(笑)

こんな感じで生活をしていたのですが、予定日の一か月前に妻は職場を退職して出産の準備に入りました。

7月末近くのある日、妻にいつも通りに笑顔で見送られ出勤したのですが

17時過ぎた頃に妻から職場に電話がありました。

「破水したみたいだから病院に行くから」

と言うんです。

私は「破水?」とい言葉と妻の少し辛そうな声を聞いて動揺しました。

直ぐに上司に事情を説明して病院へ向かいました。

病院へは19時前に到着。

ナ-スステ-ションへ行き私の名前を言うと

「いや~奥さんね もう頭が出かかっているのに両手に鞄持って入って来ましたよ~」

と笑顔で看護婦(当時は看護婦とい呼称しかありませんでしたので)さんが説明してくれました。

実際には家から両手に鞄を持ってタクシ-に乗り込み、降りて病院へ入る時には運転手さんが鞄を持ってくれたようです。

この説明を受けた後に

「こちらへどうぞ、元気な男の子が産まれましたよ」

と言われた。

もう産まれていたんです。

病院へ入ってから1時間弱で産まれたようです。

どうやら私が出勤した後から陣痛があったようなんですが

病院から

「陣痛の間隔が〇〇分位になったら連絡下さい」

と言われていたので、んっ?この間隔なのか?と思って様子をみているうちに破水したらしいのです。

案内をされた部屋入ると笑顔でVサインをする妻と、横には2,600gの私達の長男がいました。

母子共に元気で安心しました。

緊張して、ぎこちなく長男を抱いたのは今でも記憶にあります。

この後に

「荷物は後で良かっただろう 俺が持って来るんだから」

と妻に言うと

「あっそうだよね」

と妻は笑っていました。

決して豪快なタイプではないのですが母強しです。

母の日に妻が母親になった時の『豪快伝説(笑)』を思い出しました。