足袋に自信

私が子供の頃の話しです。

私は勉強はできなかったのですが、足だけは速かったのです。

悪い事をしても逃げるのも速かったです。

結局最後は謝りにいきましたけどね。

余談でしたが

そんな私の運動会の話しですが、小学校生活6年間リレ-の選手。徒競走は常に1位でした。

私が自慢できるのは多分これしかありません。

足が速くて大人になってから役に立った事が一つだけあります。

それは、子供の幼稚園の運動会で保護者リレ-で走ったのですが、私はごぼう抜きをしてチームが1位になりちょっとしたヒーロになりました。

しかし良く考えると、他の人は私のように真剣に走らなかっただけなのかも知れませんがね(;^_^A

こんな私は小学校の運動会で親から足袋を履かされていました。

でも私の気持ちは、殆どの同級生が履いていた三本線の入った運動靴を履いて走りたかったのですが

「足袋の方が運動靴よりも軽いから速く走れる」という母親からの半ば命令で ”足袋” だったのです。

小学1・2年生は午前中しか競技はないのですが、リレ-の選手になると午後の部の最後にリレ-があるのです。

そんなものですから私はリレ-に出場する為にじっと待機する事になります。

足袋は午前中履くと穴が空いて指が出てくるもんですから、午後の部はリレ-の為だけに新しい足袋を履いていきます。

ここでなんですが、母親に

「足袋の方が運動靴より軽いから速く走れる」

なんて言って足袋を履かせられましたが、『クッション性等を考えると足の為には運動靴の方がよさそうだよな』と私は子供ながらに思っておりました。

何よりも母親は走ることしか考えていませんでしたが、小学校の運動会は走るだけじゃないんです。玉入れ・綱引き・フォークダンスだってあるんです。

綱引きで、たま~に足を踏まれる事があるんですが、一番の問題はフォ-クダンスです。

フォ-クダンスは普通に踊っている分には良いんですが、女子の人数が足りなくて男子同士で踊る時があるんです。

これが問題なんです。

大抵その男子というのは、いつもふざけ合っている友達なんですが私が足袋を履いているのを見て、わざと足を踏もうとするんです。

そうすると、私は踏まれないないように逃げるので、フォ-クダンスどころではなくなり私の踊っている所だけが乱れるんです。

保護者はそれを見て大笑いです。

ですが笑われた私と友人は、フォ-クダンスが終わったら先生から大目玉です。

じゃれあっていた時は楽しかったですけどね。

因みに足袋を履いていた子供は私の他に1人だけ。

母親は本当に足袋の方が速く走れると思っていたようですが、小学3年生からは私が強く希望をして運動靴に替えてもらいました。

当時は、足袋が格好悪いと思ってましたからね。

運動会を見る事が楽しみだった母親は、少しでも足元を軽くして活躍して欲しかったのでしょう。

運動会は走るだけじゃないのに。

今じゃ考えられない事ですね。

こんな感じで私の母親は多分、科学根拠のない ”足袋” を私に履かせていたのです。

今では情報社会ですので、このような事はないのかも知れませんが正しくない情報もあるようですので注意です。

子供は親から教えられた事は正しいと思い成長します。

それが何処かのタイミングで誤りだと気付き訂正していきます。

訂正して成長するという点では良い事なのかも知れませんが、子供には正しい事を教えてあげる方が良いですね。

わからない事は、適当な回答をせずに調べてから教えるか、はっきりと「わからない」と言ってあげましょう。

私の母親、この他にも結構あるんです 恥ずかしくて言えない事が・・・。

子供の頃は結構、恥をかきました(;^_^A

ほっこり

古くからの知人と仕事の打ち合わせをしていた。

仕事の打ち合わせが終わると、少し前にあった母親とのやりとりを教えてくれた。

ある日、母親から電話があった。

「欲しい本があるのだけれどアマゾンで買ってくれないだろうか」

という事だった。

母親は足が悪くて歩行は困難との事。

友人は

「わかった」

と返事をすると

「お金は後で払うからね それとガソリン代も払うからね」

と言ってきたらしい。

友人は私に笑いながら

「母親はアマゾンという何でも買える店舗が郊外にあり、車で買い物へ行ける思っているんですよ~」

と言ってきた。

私は

「ほぼ正しいんじゃない?アマゾンを知っているんだから時代に対応しているよ」

と言葉を返しながら、何とも

「ほっこり」

する良い話しを聞いたと思った。

仕事は当然大事ですが、今日の一番の収穫は 「ほっこり」 させてくれた知人の母親の話しだったのかも知れない。

目的を達成する為の行動

私が多分5歳位の時の話しです。

父親は公務員だったのですが給料がそんなに良くなかったのか、母親が病院の調理員の仕事をする事になりました。

母親は私達に「病院のご飯炊きの仕事にいくからね」と言ってました。

病院は子供の足で10分程で行ける距離の所にあったのですがちょっと寂しかったですね。

私には一つ下の弟がいたのですが「兄ちゃんなんだからちゃんと面倒みてあげてね」と母親から言われ鍵を首に掛けられました。

鍵っ子です。

ただ私は嬉しい事が一つありました。

それは、母親が仕事へ行くときに私達に10円ずつお小遣いをくれるんです。

今から50年程前の10円で何が買えたかというと

ヤクルトに似た容器の飲み物があったと記憶しているのですが

それが5円、そしてシュ-クリ-ム(クリ-ムが少しだけ入っているやつ)が5円で買えたんです 確か・・・

今じゃ考えられないですよね。

私達兄弟はお小遣いの10円を持って毎日おやつを買いに行くんです。

田舎ですので店の人も顔見知りですから「いつもの!!」みたいな感じですね。

こんな感じで鍵っ子生活を楽しんでいたのですが、ある日ちょっとした問題が起きました。

いつものように弟と店に買い物に行ったのですが、ある商品が私達の眼を釘付けにしました。

それは『マーガリント-スト』です(当時もこんなネ-ミングだったかは定かではありません)

これが物凄く美味しそうに並んでいるんです。

パンにマ-ガリンが塗ってあり見ているだけで味が伝わってきました。

ここで何が問題かというと『価格』です。

これが確か25円だったんです。

私達は毎日10円しか貰えませんので買う事ができないんです。

その日は『マーガリント-スト』を横目に、いつもの物を買って家へ帰りました。

母親に「お金が欲しい」と言えなかった私達は考えました。

そして出した結論は

『マーガリントースト』が食べたい時は

シュ-クリ-ム1個・飲み物1個を買い、家に帰ってから半分にして二人で食べる。

こうする事によって10円の出費。

10円×2人-10円=10円になり

翌日

10円×2人+10円=30円になります。

翌日には『マーガリント-スト』を一つ買う事ができるんです。

何故一つで良いかというと『マーガリント-スト』はサンドしてあるので2枚あるのです。

パンは1枚ずつ食べられるから一つだけ買えば良いんです。

そして飲み物を一つ買って半分にする。

翌日、買いました!

『マーガリント-スト』

嬉しかったですね~。

その後は家に帰り、私達二人が至福の時を過ごしたのは言うまでもありません。

『ない袖は振れぬ』という言葉があります。

今の世の中は『ない袖も振れる』事があります。

しかし無い袖を振り続けると必ずつけが回ってきます。

様々な目標を達成する為には我慢をしなくてはならない時だってあります。

妻と買い物に行き『マーガリント-スト』見ていたら、こんな事を思い出させてくれました(^^♪