バスを描いて負けた日

私が小学校入学の時ですが、入学前に自分の好きな絵を描いて提出する事になっていた。

当時12色の絵の具を買ってもらい絵を何回も書いた。

描いた絵は『国鉄バス』です。

今のJRバスです。

国鉄なんて若い方はしりませんね。

なんと言っても50年程前の話しですからね~。

わかって頂ける方は頷いて下さい(笑)

描いた絵を母親は当然ですが褒めてくれました。

そして入学式。

式が終わり教室に入った。

教室の後ろには、新入学児童が入学式前に書いた絵が飾られていた。

私は自分が描いた絵を探した。

すると、私の他にも『国鉄バス』を描いている子の絵が目に入った。

その絵はお世辞抜きで

「上手い!!」

バスの絵も旨いが景色も綺麗に描かれていた。

子供ながらに私の絵は足元にも及ばないと思った。

惨敗だ・・・。

別に競い合ったわけではないが(笑)そんな気持ちになった事を憶えています。

この日から小学校生活が始まりました。

ある日、図工の授業で同じバスを描いた子(F君とします)の絵の具を見たんです。

すると、あきらかに私の絵の具よりも沢山あるんです。

聞くと24色だというんです。

良いな~ 凄いな~ 欲しいな~

と思いながら

「僕もこんなに色があったら絵が上手く描けるかな~」

と思ったのですが

「いや 絵の具じゃない 僕にはF君みたいな上手い絵を描けない」

「上手くないんだから、僕は12色でいいんだ」

と思うようにした。

上手くなったら24色絵の具を買ってもらおうと思った。

そう思いながらも、私の絵の具よりも倍の色があるF君の絵の具は魅力的で羨ましかったですね~。

その後も私の絵は上手くなる事はありませんでした。

上手くなる訳がないんですよ。

入学前は絵の具が珍しくて描いていただけで、絵を描く事が好きではなかったんです。

今考えると私は子供の頃に、自分が嫌いな事、才能がないと思った事に見切りをつけるのが早かったのかも知れません。

格好よく言えばですが・・・。

要するに

飽きやすかった?

見切りをつけるのが早すぎた?

努力を怠った?

という事でしょうか。

しかし好きな事には熱中してやってましたね。

例えば、野球・陸上 と少しだけ書道

あれ?運動メインで勉学が・・・(笑)

芸術系は

好きじゃないと腕前はあがりませんよね・・・。

センスと才能も必要ですよね。