子供の頃、悪さをすると外に出され玄関の鍵を閉められた。
閉め出しですね。
閉め出された私は「じょっぴんかけないで~!」と泣きながら言っていたような(笑)
この「じょっぴん」という言葉、当時は普通に使っていましたが北海道や東北の一部の人が使っていた方言?のようですね。
悪いことばかりしていた私は何度も家から閉め出されていました。
そんなある日、一つ下の弟も悪さをして家から閉め出されました。
どんな悪さをしたかは忘れましたが
「もう家の子じゃないから帰って来なくて良い」
と母親から怒られ、着替えの服を何枚か入れた風呂敷を弟の背中にくくりつけるて玄関の外に出すと100円玉1枚を弟に渡し
「バスに乗って何処でも好きな所に行きなさい」
と言ったのだ。
弟も私も小学校低学年だったと思うが、私はこのままでは弟が何処かに行ってしまうと思い、許してあげてくれと懇願した記憶がある。
しかし母親は聞き入れてくれず100円を渡した直後に玄関の扉を閉めて鍵をかけた。
その後5分程経ってからだと思うが母親は玄関を開けて外を確認した。
母親は涙を流しながら反省している弟が立っていると思っていたようだが、扉を開けると弟の姿はなかった。
弟は歩いて5分程のバス停に一人立っていた。
私の生まれた所は田舎町で、当時は近所の大人は家族みたいなもの。
バス停に立っている弟に近所の大人が何やら話しかけている。
そりゃそうですよね
小学校低学年の男の子が風呂敷をしょって寂しげにバス停に立っているのですから
「どうした?」
くらいの声はかけたくなる。
田舎町の最終バスは早い。
時刻は夏の19時頃だったと思うが、もうバスは来ない。
母親はバスの運行がない事を確認して弟に言ったのだ。
ただバス停に行った事は予想外の行動だったらしく、近所の人に声をかけられている弟を見て恥ずかしさもあり慌てて走って行った事を私は鮮明に覚えている。
私達兄弟はこんな親の元で育ってきた。
この時代でも、このような躾?をされている子供は数少なかったような気がする。
今の時代であれば下手すると児童虐待ととられる事態なのかもしれない。
今ではあり得ないような事だが、バスの最終時刻も確認してあり何処にも行けない事を確認してからの言葉であった。
弟を迎えに行った母親は「反省したのならもう泣くのはやめなさい」といって優しく抱きしめていた。
子供への厳しい躾は親の愛情がないと成立しない。