追憶

7月中旬過ぎに1つ下の弟から

「今月末に股関節手術(人工関節を入れる)する事になったので入院する事になった ついては保証人になって欲しい」

と連絡が入った。

弟夫婦は近所に住んでいるのだがあまり交流がない。

別に仲が悪いわけではない。

私は親と二世帯で暮らしているので、1階に住んでいる親の所へ来ている時に多少言葉を交わすくらいなもの。

私とは全く性格の違う弟。

私は営業の仕事をずっとしている事もあるのか元来の性格なのか、周りからは「明るいよね~ いつ見ても元気 悩む事なんてないよね~」と良く言われる。

若い頃は笑ってごまかしていたが今は「悩みがない人間なんている訳ないじゃないですか~ モチベ-ションを下げない為のテンションですよ」と笑いながら返している。仕事の悩みは た~くさんありますからね。

こんな私と正反対の弟は、職種は大きく分類すると工場勤務 あまり人と関わる事を好まない。

ネガティブ思考。これは母親に似ているところがある。

こんな弟は私に敬語を使ってくる。

一つしか歳の違わない弟。

私は違和感しかなかったが自然とお互いに距離をとっていた。

こんな弟からの頼み。

兄としてというよりも親族として断る理由はない。

3週間程の入院になるとの事だったので奥さんが困ったことがあったら連絡するようにと言っておいた。

それを言うと非常に恐縮していた。

こんな弟なので見舞いに行くと言えば、まず断ってくるに違いない。

そう思った私は、手術は成功 翌日からリハビリを開始していると連絡が入った2日後
見舞いに行く事にした。

見舞いに持って行ったのは
・マーガリントースト   25円(当時)
・シュ-クリ-ム     5円 (当時)
・ヤクルト(多分類似品) 5円 (当時)

これは鍵っ子(若い人はかりませんかね?)の私達が5歳くらいの時に1日一人10円の小遣いでほぼ毎日買っていたおやつなのです。

ただ当時の金額を見て頂くとおわかりでしょうが、マーガリントーストが25円の為、当然毎回は買えません。

そこで私たちは、マーガリントーストを食べたい時には

今日は ヤクルト1個 シュ-クリ-ム1個を買って半分にしよう。

こうする事によって 一人10円もらえる小遣い

10円×2人=20円-10円=残10円

翌日 10円×2人=20円+前日残10円=30円になります。

マーガリントーストが買えるのです。

マーガリントーストは2枚入っているので分けて食べる。

飲み物はヤクルト(類似かも?)を1本買って分ける。

こんな思いでがあったので買っていった。

買ったヤクルトは1000にグレ-ドアップしましたがね。

細かい説明はせずに「想い出して買ってしまったわ!」とだけ言い、少しの言葉だけ交わして病室をでた。

帰宅後2~2時間後にラインが届いた。

「今日はお忙しい中わざわざ病院に来てくれてありがとうございます」

と堅い挨拶から始まったラインは最後に

「子供の頃を想い出したわ」

とあった。

覚えていたんだな。

約55年前の私達二人しか知らない想い出だ・・・

接客

接客とは何かと調べると

接客業とはお客様をおもてなしすることで
商品知識やコミニュケ-ション力、人間力などが必要です
接客にはあらゆる要素があり、自分流にカスタマイズして体得するスキルが重要です・・・

と書かれていた。

あるコンビニへ買い物に行った時の事。

妻と私が店内へ入るとカウンタ-内でお姉さんが二人が仲良く話しをしている。

私と目が合ったが何の言葉もなく二人の会話は続く。

あら~と思いながらも商品をカゴに入れてレジへ。

「いらっしゃいませ」もなく いきなり商品をスキャン。

「〇〇〇円です」

こんな感じで精算が終わり店外へ。

女性二人は私達の精算が終わると又仲良く話しをしていた。

笑顔で・・・

私達夫婦は無言で駐車していた車内へ乗り込んだ。

ドアを閉めた瞬間に妻は私を見てきた。

私は予想がついていたので笑いながら妻を見て

「はい!何か言いたい事ありますか?」

と聞くと

「何あれ~ いくらなんでもあれは駄目だよね~」

当然私もそう思っていた。

私達二人は接客業経験者。

妻は現役。

私達の事を『お客様』なんて思って欲しいとは思っていない。

欲しいものを買い求めに店に行った ただの『客』です。

でもこの接客はね~

最低かな~

接客業で仕事をしている以上 

「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」

は必要でしょう。

心から思っていないくてもね。

何故なら 仕事だからです。

オーナ-さんから賃金を頂いている以上はね。

ただ残念な事にこういった状況に出くわした事は今回だけではない。

私達夫婦はこういった店には二度と行かない。

嫌な気持ちで買い物をしたくないからだ。

若い頃はクレ-ムを入れたりしていたが、今はほぼしない。

クレ-ムを入れる事は余計な体力を使うし、気分が悪くなる。

決して 店にとっても良い状況にはならないのにね。

ただ 気持ちの良い接客に出会った時には気分も良いね~。

人間ってこういうものですよね。