平穏

20数年前

仕事先で母親がくも膜下出血で倒れた。

母親が倒れる瞬間を見ていた同僚が救急隊員に状況を説明すると

救急隊員は即座に脳外科の受け入れ先を確認して搬送してくれた。

連絡を受けた私は病院へ行き医師からの説明を聞くと

「くも膜下出血です この状態で30分以内に搬送されて50%の生存率 更に手術で50%の生存率」と言われた。

続けて「命が助かってもご本人に戻れるかはわかりません」という言葉。

何とも言えない言葉だった。

そんな母だが元気に暮らしている。

私の顔みて猫の名前を呼び 

「あ~ちがうちがう ○○だ」

ととぼけた事を言うが元気だ。

「夜が寝られないのさ~」

と言ってくる。

それはそうだ

日曜日の昼間に覗きに行くと昼寝している

それも3時間以上。

「眠くなったら寝れば良いんだから気にするな」

と言っておく。

「そうだね 朝早く起きる必要もないからね」

と笑っている。

と思ったらテレビを見て笑っていた。

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