忘れられた記念日

仕事が終わり帰宅。

食事をして のんびりTVを観ていた。

しばらくすると妻が

「そういえば今日 結婚記念日だね~」

と洗い物をしながら言っている。

私は記念日を大事にする男。

普段 妻に優しくしていなくても(笑)記念日を忘れた事はない。

それなのに・・・

忘れていた・・・

妻も全く気にした様子もなかったので

「そうだな~ 37年だな~」

と返しておいた。

ただ今まで一度も忘れた事がないはず!?の記念日なのに忘れていた事にショックを受けた。

言い訳ではないが忘れてしまったのには理由がある。

4月27日~5月2日まで横浜から1歳7か月の孫がきていた。

孫が帰ったあとも毎日のようにTV電話がきている。

幸せな気分が全て孫にいっていた。

妻もそのようだ。

結婚記念日より孫の存在が勝ったのだ。

でも記念日を忘れていた自分を許す事ができなかった私は

翌日 妻が好きそうなスイ-ツを買い 本来はバースデ-ケーキの上に乗せる

数字(年齢)のロウソクを買い颯爽と帰宅した。

「ただいま!!」

ロウソクの 37を見せながら

「一日遅れ!!」

と言いながら妻に渡すと

「記念日を忘れた事気にしてたんだ~ はいこれ持って!!」

と笑顔で私に ロウソクの37を持たせ

「は~い 笑って~」

と写真を撮られた。

孫よ じいじ ばあば こんな感じだ・・・(笑)

夢から覚めた妻

日曜日の朝。

私は普段通りの起床 5時。

隣にいる妻はまだ夢の中だ。

起こさないように そ~っと 布団をでて というのは嘘で普通に布団からでても妻は気づかない。

しかし多少は気を使っている。

シャワ-を浴びてテレビのスイッチを入れて、よくわからないテレビ番組を眺めながら一緒に起きてきた愛猫と戯れていた。

愛猫は妻の事が一番好きだ。

私が御飯をあげると喜んで食べるくせに、食べ終わり少しすると妻がねている足元へいって丸くなった。

「俺が御飯あげてるのにね~」

と愛猫にむかって呟きながら居間にもどりテレビのスイッチを切りコンビニへ行くことにした。

早朝の道路は空いている。

快適だ。

コンビニへは5分で行けるのだがドライブを兼ねて隣町まで車を走らせる事にした。

車を走らせているうちに洗車をしたくなり洗車場へ。

今は2月。

洗車の後の拭き取りは寒い!!

しかし苦にならず満足。

馬鹿な中年だ(笑)

その後コンビニへ。

妻が好きなスイ-ツを買い帰路についた。

時刻は8時過ぎ。

スマホが鳴った。

「何処にいるの?」

ちょっと不機嫌な妻。

「もうすぐ着く」

とだけ言い切った。

帰宅後私の行動を説明すると。

どうやら一緒に行きたかったようだ。

しかし早朝は嫌!

私と妻の生活リズムの違いだ。

スイ-ツを渡した妻の顔は笑顔だった。

来週は連れて行ってやるか早朝に・・・。

今日この頃・・・

私は若い頃から並んで待つことは大っ嫌い!!

どんなに美味しいと評判の店でも絶対に並ぶ事などありませんでした。

付き合いをいれると約40年の妻も同じだと思っていたのですが、子供たちが成人を過ぎた

結婚 21・2年頃に気がついた。

人気のスイ-ツ店に行ってみたいらしく、雑誌にポストイット(ついこの間まで付箋と言っていた(笑))

がついているんです。

〇〇ケーキ・スープカレ-〇〇等々。

調べてみると、どれも行列ができるお店。

子育ても終わって自分の時間が少しできたんだよな~と少し考えて、いや かなり考えてから

意を決して妻に

「今度の休みポストイットつけている店へ行こうか?」

と言ってみた。

「行列で凄い並ぶらしいから良いよ~」と低めのテンション

その言葉でホットしている私

しかし少し経ってから小声で

「でも食べてみたい 良いの?」

と上目遣い。

上目遣いで女性から見つめられると普通は「おっ!可愛い♡」なんて感じでドキッ!!とするものだが

この時の私は「おっ!?行くのか!?」というドキッ!

まあでも、上目遣いが可愛かったかは別にしても

「良いよ ポストイットつけてある店 順番に行こう」

と良い夫を演じてしまった。

事前に調べた情報通り、どこの店へ行っても行列ができていた。

でも入店して、食べてみると美味しい!

妻を見ると嬉しそうに食べている。

この笑顔を見られるという事は幸せという事なんだと感じた時間だった。

ただこんな日ばかりではなく、小さな事で怒ったりしている事がある私。

良き夫にはなれない自分を反省している今日この頃・・・

優しさにニンマリ

息子が幼稚園児の頃の事。

妻が(息子からすると母親ですので以降は母親で表記します)おやつをだすと必ず母親に三分の一程渡すのです。

「お母さんの分」

と言って。

ある時ロ-ルケ-キとジュ-スをおやつに出しました。

ジュ-スは普段コップに入れて出すのですが、ラッパ飲みをしてみたいというのでペットボトルのままテーブルに置いた。

息子は案の定ロールケーキを母親に差し出し

「お母さん少し食べて」

と言ってきた。

母親は少しだけもらって嬉しそうに食べていた。

息子は母親の顔をニコニコしながら見て、その後ペットボトルのジュ-スをラッパ飲みしていた。

一口飲み終えると

「はい!!飲んで良いよ!!」

ペットボトルを母親に渡してきた。

「は~い ありがとう~」

母親は笑顔でペットボトルを受け取った。

そしてペットボトルを見て笑いながら

「これはお母さんは要らないかな~」

と息子に言うと

「嫌だお母さんにあげるから飲んで!」

と懇願してきた。

母親はその顔を見ると飲まないわけにはいかず

「少しだけもらうね~」

と言って一口飲んでペットボトルを息子に渡した。

私は何気なくそのペットボトルに目をやると、息子が持っているペットボトルの中身には果肉入りジュ-スでもないのに何やら沢山浮いているのです。

目を凝らすと、ロ-ルケーキを頬張って食べた後にラッパ飲みをしたペットボトルには息子の口の中からロールケーキが沢山入ったようです。

ロ-ルケ-キを頬張ったままペットボトルに口をつけて飲んだ結果です(笑)

母親は笑顔でペットボトルを受け取ったのですが、その直後苦笑いをしていた。

しかし母親として息子の厚意を踏みにじるという選択肢はなかった。

息子は母親がペットボトルのジュ-スを飲んでくれてご満悦です。

息子が母親を見つめながら嬉しそうにしている顔が今でも頭に浮かんできます。

息子にとって母親の笑顔は最高のご褒美だったのだろうと思います。

母親も苦笑いをしながらも幸せそうな顔をしていました。

息子の笑顔は母親にとっても最高のご褒美だった筈です。

そんな息子は30歳を過ぎましたが、スイ-ツが人数分ない事がわかると母親に

「食べてよいよ~ 余ったら食べるわ~」

と言います。

母親優先です。

ペットボトルのジュ-スには果肉以外の異物が浮いている事はないですけどね・・・(笑)