忘れられた記念日

仕事が終わり帰宅。

食事をして のんびりTVを観ていた。

しばらくすると妻が

「そういえば今日 結婚記念日だね~」

と洗い物をしながら言っている。

私は記念日を大事にする男。

普段 妻に優しくしていなくても(笑)記念日を忘れた事はない。

それなのに・・・

忘れていた・・・

妻も全く気にした様子もなかったので

「そうだな~ 37年だな~」

と返しておいた。

ただ今まで一度も忘れた事がないはず!?の記念日なのに忘れていた事にショックを受けた。

言い訳ではないが忘れてしまったのには理由がある。

4月27日~5月2日まで横浜から1歳7か月の孫がきていた。

孫が帰ったあとも毎日のようにTV電話がきている。

幸せな気分が全て孫にいっていた。

妻もそのようだ。

結婚記念日より孫の存在が勝ったのだ。

でも記念日を忘れていた自分を許す事ができなかった私は

翌日 妻が好きそうなスイ-ツを買い 本来はバースデ-ケーキの上に乗せる

数字(年齢)のロウソクを買い颯爽と帰宅した。

「ただいま!!」

ロウソクの 37を見せながら

「一日遅れ!!」

と言いながら妻に渡すと

「記念日を忘れた事気にしてたんだ~ はいこれ持って!!」

と笑顔で私に ロウソクの37を持たせ

「は~い 笑って~」

と写真を撮られた。

孫よ じいじ ばあば こんな感じだ・・・(笑)

人相が悪い人は優しい?

横浜にいる娘が1歳7か月になる女の子を連れて帰ってきた。

孫だ。

私・妻・息子(娘の兄)と家族総出で空港へ迎えに行った。

到着した日は娘夫婦・孫と3人で我が家に宿泊するが、翌日は孫だけを我が家に残し宿泊させる予定となっていた。

娘は一人お泊りが上手くいくように到着前日まで妻に毎日のようにテレビ電話をしてきて

「ば~ばだよ~」

と顔と声を孫に覚えさせていた。

私が仕事から帰ると電話が繋がっている事もあったので時々参加していた。

息子も時々参加していた。

空港で出迎えると妻の顔を見て笑っている。

妻は直ぐに

「抱っこするかい?」

正式に言うと「ばばは抱っこしたいよ」だな。

孫は妻の腕の中へ。

妻に抱かれた孫を目じりを下げて見ていた私に孫は笑顔で手を広げてきた。

「じじ だっこ~」  と。

私は正直 こんな事があるんだ~と思いながら

更に目じりを下げて抱き上げた。

見ていた息子は驚きを隠せない。

「この中で一番人相の悪い人に懐いている・・・」

と言いながら息子は自分の名前を言いながら

「おいで~ 抱っこしてあげる」

と言うも

笑いながら イヤイヤ と顔を横に振っている

「心が済んだ子供は本当に優しい人を見抜く力が有るんだな~」

と皆に自慢してやりたがったが

少しショックを受けている息子の苦笑いしている顔を見ると何も言えなかった。

少し複雑な心境だ。

でも孫は可愛い。